会社の後輩に面白い本ないですかと聞かれたので
去年の課題図書の中で一番(猫的に)面白かった『DZ』を推したところ、ずいぶん丁寧にお礼を言われました。
逆になんかお勧めある?と尋ねたところ、彼は猫の好みをリサーチした上で持ち帰って検討、3日後にメールで3冊お勧めしてくれました。
一つは『症例A』多島 斗志之。
これは今年の課題図書として読了。面白かったので、まぁ当たり。
二つ目がこの、『殺戮に至る病』我孫子武丸。
我孫子さんは中学高校時代のお気に入り作家のひとりです。
当然この作品も読んでて、「面白かった」という記憶はあるのですがどうも内容を全く思い出せず。
うーむ。と思っていたら古本屋さんで安売られていたので買ってきてもっかい読んだのでした。
読み始めてすぐに、この作品の「クセの強さ」は思い出したのだけれど肝心のオチはなかなか思い出せず。
作者が読者へ向けて仕組んだ罠をはっきり思い出したのは3分の2ほど読み進んだころ。
トリックの種を思い出してしまったあとはもう最初の時のような楽しみ方はできなかったけど、それでも十分面白かったです。
冒頭から仕込まれてまくっているたくさんの「ヒッカケ」ひとつひとつが見事に作用して結末のどんでん返しが作り上げられていく。
こういう緻密ささえ味わえれば、グロさとかには関係なく猫は晴れ晴れした気持ちになってしまう。
なんか、こういう好みってあんまり変わってないんだなぁとしみじみした。
ちなみに、後輩のお勧め三つ目は『世界は密室でできている』 舞城王太郎。
初耳だったのですが、彼のチョイスはなかなかいいところを突いているようなのでいずれ読もうと思います。