読み応えのある本でした。
ストーリー的には格別すごくもなかった。事件そのものに華々しいトリックがあるわけでなし。
だけど、いい小説だったと思う。キャラが立ってたからかも。
心理描写、人物描写がかなり緻密。なんというか、厚みがある。
編集長も女性記者も医者も、現実に存在しそう。リアル。
常に事件の中心に確固たる存在感を示し続ける「女流小説家の卵」だけが、なにか異彩を放っていた。
『黒い家』を読んだ時の感じとちょっと似ているかな。ずしっと重たい。
こんな人は現実にはそうそういない。非現実的。なのに、リアル。
どうでもいいけど、「緑色の猿」って、『催眠』とは無関係??